D 値 (室間音圧レベル差)

 D値は、JIS(日本工業規格 以下JIS) A 1419「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法」および日本建築学会による「建築物の遮音性能基準」によって規定され、建物の戸境壁や床の遮音性能(室間音圧レベル差)を等級化(遮音等級)して評価する指標として用いられている。
 この等級分けは、図の様な遮音等級曲線を定め、それぞれの基準曲線における500Hzの値を、その基準曲線の名称として用いD値と呼んでいる。なお、表記方法は JISは「Dr-00」、日本建築学会は「D-00」となる。たとえば「D-50」は、500Hzの値が50dBとなる基準線である。そしてこのD値が大きければ遮音性能が優れていることを表している。

評価と測定方法
 隣接する2室間の遮音性能の測定は、JIS A 1417「建築物の空気音遮断性能の測定方法」に準拠し、一方の室(音源室)から音を発生させ、2室でそれぞれ測定した音圧レベルの差から室間音圧レベル差をもとめる。
 もとめた室間音圧レベル差の周波数特性(1/1オクターブ中心周波数(63)125~2,000(4,000)Hz)を基準曲線図にプロットし、すべての値が上回る基準曲線を遮音等級として評価する。ただし、検査等における実測値を評価する場合は、測定の精度を考慮し基準曲線を2dB下回ることが許容されている。
 また、建物・室用途別適用等級を表の様に定めている。


L 値 (床衝撃音レベル)

 L値は JIS A 1419「建築物及び建築部材の遮音性能の評価方法」によって規定され、上下2室において上階で歩行したり、床に物を落下させたりしたときに下階で聞こえる音を評価(床衝撃音レベルの遮音等級)する指標として用いられる。
 この等級分けは、図の様な遮音等級曲線を定め、それぞれの基準曲線における500Hzの値を、その基準曲線の名称として用いL値と呼んでいる。なお、表記方法は JIS は軽量「Li,r,L-00」、重量「Li,Fmax,r,H(1)-00」など、日本建築学会は「L-00」となる。たとえば「L-50」は、500Hzの値が50dBとなる基準線である。そしてこのL値が小さければ床の性能が優れていることを表している。
 床衝撃音は重量床衝撃音(LH)・軽量床衝撃音(LL)の種別があり、重量床衝撃音は上階で子供が飛び跳ねたり走ったりすることによる衝撃音を模し、軽量床衝撃音はハイヒールでの歩行や物を床に落としたことによる衝撃音を模している。

評価と測定方法
 測定は JIS A 1418「建築物の床衝撃音遮断性能の測定方法」で定められた衝撃原(重量:バングマシン 軽量:タッピングマシン)を使用し、上階で衝撃音を発生させ、下階で測定を行なう。
 測定した衝撃音の周波数特性(重量は1/1オクターブ中心周波数63~500Hz、軽量は125~2,000Hz)を基準曲線図にプロットし、すべての値が下回る基準曲線を遮音等級として評価する。ただし、検査等における実測値を評価する場合は、測定の精度を考慮し基準曲線を2dB上回ることが許容されている。


N 値 (室内騒音レベル)

 N値(室内騒音レベル)は 外部騒音・空調騒音・給排水などの設備騒音および室内騒音の評価法として用いられ、種々の建物、用途別に適応等級が日本建築学会により定められている。
 この等級分けは、図の様な騒音等級曲線または騒音レベル(dBA)を定め、それぞれの基準曲線における500Hzの値を、その基準曲線の名称として用いN値と呼んでいる。たとえば「N-50」は、500Hzの値が50dBとなる基準線である。そしてこのN値が小さければ性能が優れていることを表している。

評価と測定方法
 測定値の取り扱いまた評価については、対象の騒音の種類(定常騒音・変動騒音・間欠騒音)によって分かれるが、測定した(または設計値)音圧レベルを、日本建築学会が規定する1/1オクターブ中心周波数63~4,000Hzの基準曲線にプロットし、すべての値が下回る基準曲線を騒音等級として評価する。ただし、検査等における実測値を評価する場合は、測定の精度を考慮し基準曲線を2dB上回ることが許容されている。


NC 値 (室内騒音レベル)

 NC値(室内騒音レベル)はL.L.Beranekによって提案され、室内騒音を評価する一般的な尺度としてN 値とともに広く利用されており、とくに空調騒音などの定常騒音に利用される。(NC曲線)


T 値 (サッシの遮音等級)

 T値(サッシの遮音等級)は、 JIS A 4706「サッシ」 により規定され、窓サッシ等の遮音性を等級化して評価する指標として用いられる。この等級分けは、図の様な遮音等級曲線を定め、T-1~T-4に向かって遮音性能が優れていることを示している。

評価と測定方法
 測定は JIS A 1520 「建具の遮音試験方法」に準拠し、サッシの内部及び外部から試験音を入射し、内部と外部の音圧レベルを測定し、音響透過損失をもとめる。
 もとめた音響透過損失の周波数特性(1/1オクターブ中心周波数125~4,000Hz)を基準曲線図にプロットし、すべての値が上回る基準曲線を遮音等級として評価する。なお、下回る値の合計が3dB以下の場合はその遮音等級とする。
 サッシの遮音性能は外壁や外壁に取り付けられた給排気口、またサッシ自体の取り付け精度などによって測定結果がカタログ等で示された性能に満たない例も多く、1ランク違っていても実際は性能にほとんど差がないこともある。また、遮音性能の高いサッシを使用すると外部騒音が小さくなり、室内が静かになるため、集合住宅等ではかえって隣戸からの騒音が気になってしまうという例もある。